欄干や掘りごたつ。古民家の面影を残す風情ある空間に、たくさんの本が並びます。
今回のご紹介は、福岡県三潴郡大木町にある「たみえる珈琲店」さん。
「貸本利(とおる)文庫」という、まちづくり図書館としての顔も持っています。
自家焙煎の深煎りコーヒーを飲みながら、中庭を眺めたり本を読んだり、はたまた静かな音楽に耳を傾けたり。
人それぞれにゆっくりと時間を過ごせる、あたたかい雰囲気の空間です。
■昔も今も、人が集まり続ける場所でありたいと願いオープン
「たみえる珈琲店」さんのオープンは2023年6月18日。
元々古賀利(とおる)さん・タミ江さん夫婦が住んでいた家をリノベーションし、店名にもお二人の名前を使いました。
利さんは元小学校の校長先生で、タミ江さんは和裁や洋裁、「あんも学校(編み物学校)」の先生でした。
そのため、昔から人がよく集まる場所だったそうです。
息子さんご夫婦から、引き続き人が集うような仕掛けを作ってほしいと依頼されたオーナーさん。
最初は「軒先マルシェ」として、年に数回フリーマーケットを開催し、人を集めるようになったのが始まりでした。
■シンプルさが売りの、自家焙煎コーヒーやプリン、シフォンケーキなど
自家焙煎のコーヒーは、深煎りのものを提供。
無農薬のエチオピア産豆を主に使用し、ストレートを基本としています。
「昭和のプリン」は流行りの喫茶店風固めプリン…というわけではなく、「昭和生まれの男が作った」という意味の、ごくシンプルな一品です。
プリンには白砂糖ではなく、鹿児島県の喜界島で採れたサトウキビでできた砂糖を使用。
地元になじみのある味を踏襲しています。
できるだけ地域の力を活かしたいと、近所の方が焼いているシフォンケーキも提供しています!
種類はプレーンのみ。後味が良く、苦さの奥に後味があるストレートコーヒーと、相性が良いのだそう♪
ぜひシンプルさを楽しんでほしいとのことです。
また、地域おこし協力隊でご縁をつないだ「Lento(レント)」さんの、クッキーやクラッカーといった焼き菓子も販売しています。
焼き菓子にはバターではなく、大木町の菜種油を使用。
他にも筑後平野で採れた小麦、八女産の和紅茶、「博多すぎたけ」というキノコなど、地元の材料にこだわっています!
■リフレッシュできるサードプレイス=第三の居場所でありたい
「貸本利文庫」は1冊100円、じっくり読めるよう無期限で借りられる仕組みです。
返却すると、コーヒーが100円割引になります。
コンセプトは「こころ豊かな自分づくり・暮らしづくり・まちづくり」。
農業や環境についての本も多く並んでいるそうです。
地域の小学生も、休みの日には多く集まるという「たみえる珈琲店」さん。
サイクルスタンドを店先に置いたところ、車はもちろん自転車やバイクで、久留米市などからも多くの人が集まるようになったとのことです!
「朝起きたとき、今日はどんなお客さんが来て、何に興味を持ってくれるかが楽しみ。
話し込んだり一人でゆっくりしたり、それぞれの過ごし方ができるサードプレイス(家でも職場・学校でもない第三の居場所)にしてもらいたい」と、オーナーさんは話します。
今後は中庭と1階スペースを活用し、よりバリエーション豊かな、思い思いの使い方・楽しみ方ができる空間を目指したいそうです。
憩いの空間として、地域の資産・力をフル活用し、また地域の居場所でありたいと願う「たみえる珈琲店」さん。
おいしいコーヒーや本を片手にひと息つきたいときは、ぜひ足を運んでみてくださいね♪
■店舗情報
店 名:たみえる珈琲店
住 所:福岡県三潴郡大木町大字侍島275-1
Googleマップ:こちら
営業時間:10時~18時
定 休 日:月曜
電話番号:080−4283−5960
Instagram:こちら
「Lento」さんのInstagram:こちら